連続してスパンカーの話。(長文注意)
スパンカーってカヤックが風上を向く(風に立つ)為に装着するんだけど、どんな状態でも常に風に立つ程効果があったらダメなんです。
シグナルキャットの販売する(私が作っている)スパンカーは面積が小さいって言って改造したり作り直したりする人がいて。
最初の頃は???って思ってた。
効かないって言うのね。
そういう人はほぼ100%が大きく作ってしまう。
そうするとカヤックは常に風に立とうとする、ほら風に立った!って大喜び
でも釣りの途中に右のポイントに移動したいのにカヤックは風の来る方向を向きたがる。
左の方向にも行きたいのにカヤックは風に立とうとする。
釣りをしている最中は快適だが、移動時にスパンカーが邪魔に感じる→スパンカーの帆を簡単に上げ下ろし出来るように改良する。
移動する度にスパンカーを上げたり下げたり...その内スパンカーの使用が面倒になってパラシュートアンカーに戻る
違うんです。セッティングが。
じっくり釣りをする時は風に立ち、それ以外の移動時はほぼ効いていない方が都合がいいのがスパンカー
多くの方はその状態を作る為に帆を上げたり下ろしたり...そんな事しなくていいんです。
私は朝、スパンカーを装着したら帰る直前まで一切触りません。
スパンカーの仕組みは帆が風を受けてカヤックの後ろが風下に流される事でカヤックが風に立つんだけど、
この時、船首も同時に風下に流されたら風に立ちませんよね。
風に立つ為には船首に軸となる場所が必要なんです。通常の船だとキールって呼ばれる船首部分だけど、
HOBIEカヤックの場合はMirage Driveのフィンが水中に突き刺さっていますので、このフィンが船首が横流れするのを防いでくれるんです。
このフィン、通常は水中に突き刺さっていますが、片方の足だけ踏み込んだ状態だと水平を向きますね。
この状態だとカヤックは横流れしやすくなります。って事はスパンカーが効く効かないを決める軸の有無を一瞬で変化させられるんです。
セッティングする方はスパンカーの面積を徐々に小さくしていって下さい。
フィンが一番水中に突き刺さっている状態(ドライブの両足同じ位置)では「スパンカー+軸」が効いてカヤックが風に立つ。
片足だけ踏み込んでフィンが水平になっている状態ではスパンカーは風を受けていますが軸が無いので船首も横流れして
カヤックは風に立たない状態。
ここまでセッティングを煮詰めて下さい。(大体でいいですよ)
ここまで調整出来れば小さめのスパンカーで風の悪影響なくもなくポイントに到着。
ポイント到着後にドライブの両足を揃えて船首の横流れを抑えるとスーっとカヤックが風に立ち釣り開始。
時々足で漕いで微速前進してホバリング
移動!って時は普通に漕ぐだけ。また移動が終わって釣りをする時は両足を揃えてカヤックを風に立たせて釣り開始。
これの繰り返しです。
ちなみに...ノーマルフィンより面積の大きいターボフィンの方が横流れを防止する効果が高いのでスパンカーの効果も大きくなります。
今日の釣りは終了!って時は帆を下ろして着岸です。
「ミラージュドライブの両足を揃えた時だけカヤックが風に立つ状態」 これが理想です。