シイラ釣りの極意

魚がつれた時くらい、ちょっと薀蓄を語らせて下さいな、
先日のシイラとマツダイ、どちらも渋い魚を釣るって意味では同じプロセスでした。
シイラもマツダイもルアーに興味を抱かせる事から始まります。
魚が船を警戒しない範囲ってあります、大きな船だと20m程度は最低離れないと簡単には口を使いません。
まずは誰よりも早く、遠くにいる魚を見つける必要があります。
まだ誰も気が付いていない魚、大抵距離は40mは離れています。
何も言わずに自分の飛距離に入って来るのを待つ。
40mも離れた所を泳ぐ魚は大抵他の人には見えません。
これを見失わないこと。目を離さず投げる準備。
船の進む速度、風で流されるルアーの距離、自分のキャスト精度を考えてキャスト。
出来るだけ低い弾道で魚に気が付いてもらえるように水面に叩きつけるようなキャスト。
もちろん安全を考えてアンダーキャスト、ズボッっと水面に突き刺さった場所が魚から1m以内。
ルアーを見た、追った、食った。
食ってからのファイト技術はGETまでの道のりの1割程度。
どんなタックルでも口使わせなきゃ意味無いですからね。
ここまですんなり行かないのがゲーム。
先日のマツダイでは、最初に使ったのは飛距離重視でメタルジグでした。
1発でいい所に落ちたのに魚は興味を示さなかった。これだけで十分なヒントです。
いい所に落とせない人は、このヒントさえ得られない。
もっとゆっくり動く物でないと興味を持たないかも...でミノーに変更。
違う魚を見つけてキャスト、一瞬興味を持ったが早めのトゥイッチには付いてこなかった。
また違う魚を発見、今度は2秒に一度程度の軽いトゥイッチ。これには付いて来たが迷っている感じ。
ルアーまで10cmの距離を保って最後は船のプレッシャーで反転して逃げて行った。
ギリギリ釣れなかったように見えるが、かなり間違った事をしているから口を使わなかったと判断するべき
途中他の魚がトップに反応しているのを発見。自分のルアーを泳がせながらも他人のルアーを見る事。
新しい魚が見えないかも同時に探します。
自分のルアーに魚が付いていないのに自分のルアーなんか見てる必要ないです。
確実に追うが口を使わなかったミノーを使うか、新しくトップに付け替えるか....
時間やワンチャンスロスする可能性も高いが食わないルアーを使えば同じ結果しか待っていない。
見たのはTDペンシルへのバイトシーン。同じルアーは持っているが、手持ちはシンキングのみ。
スローでの誘いが必要であれば厳しい結果になってしまう。残りはサミー115かチャムペン。
10cmと11.5cmの差もあるが、飛距離だけならサミー115だ。
だがかなり水をつかむサミーでは見切られる可能性がある、ガチャガチャ動かすだけで
反応するなら問題ないが、スローにも対応となるとチャムペン。飛距離は捨てた選択
投げた、追った、ミスバイト、ミスバイト、やっとフッキング。
ふ~やっと釣れた。
ここで満足したらダメ、この後俺がサミーに交換していたのを見ていた人はいるだろうか?
同じルアーで同じ事したら釣れるかもしれないが、同じ様にミスバイトを繰り返す可能性も高い。
水つかみの良いルアーに交換。
その後マツダイの魚影を確認する事なく出番は無かったが、ゲームの組み立て方ってこういう感じだ。
むやみにルアーを交換するのではない。ヒントが得られたら交換である。
反応が無かったのもヒント、ミスバイトもヒント。動きやルアーセレクトが合っていれば1発でがっちり食ってくる。
それだけの能力を魚は持っている。エサを捕まえるのが下手な魚なんている訳ないじゃん。
そうじゃなければ魚はエサを食べ損なって今頃死に絶えている。
例え釣れても不正解。今回はチャムペンもミスバイトがあったので不正解って判断でした。
フラフラっと他人のルアーに付いて来たシイラはもう少し簡単。
気が付いた時には船のかなり近くで、多少ルアーを追うものの見切って船の後方に泳いで行ってしまった。
私は魚を見失い諦めたら後方から「前に行ったよ~」の声。どこだ?どこだ?と思ったら目の前。
ルアーを投げるもさすがに無視。やる気はあるが船のプレッシャーで追わないだけかもしれない。
船の前から遠ざかる魚、この魚に対して普段ならバンバンルアーが飛ぶが、荒れていたのもあって多くの人が
見失ったみたいだ。
船から5m、10mと離れるシイラ。距離は18m程度、まだ投げるには早いが他のルアーが飛んでいないのと
シイラの泳ぐ水深が1mから50cm程度まで上がったのを見てプレッシャーが薄いと判断してルアーを投げる。
他人の前だが今ならラインも交差しないで迷惑も掛けない。
この距離だとルアーを追わせて食わせるだけの距離が取れるか取れないかギリギリ。
投げた、追った、残りの距離は10m、何とかバイトまで持ち込み1発でフッキング。
ミスバイトだったらもうチャンスはなかっただろう。
魚を見失わない事、泳ぐ水深。短距離で食わせる動き。他人のルアーの動向、投げて迷惑になるかならないか...
俺にはあのタイミングでしかチャンスはなかっただろう。
シイラとマツダイ、2匹の魚を食わせるまでのプロセス、近くで2回とも見れた人は何を考えてあのタイミングだったのか
ヒントにして下さい。
俺とほぼ同じ考えでキャスト出来る友人が2名だけいる。
この2名と戦う時、最後はキャスト精度の戦いになる。
ギリギリの飛距離を狙って投げるタイミング勝負、緊張感の中ピクッっと手が動いた瞬間が分かれ目。
相手を騙す為に投げないけどピクッっと動いてみたりして...
魚との勝負もあるけど、人との勝負も相模湾でのオフショアの楽しみの一つかな。

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