【魚の血抜きと熟成 その3】

魚の血液循環は
「心臓」-「エラの下」-「エラの中間」-「エラの上」-「背骨の下(大動脈)」-「細い血管&内臓」-「心臓」
こんな感じです。
血抜きする時にどの部分の血管を切るべきか...


良くやるのがエラを数枚手でちぎる行為。
エラは赤くていかにも血が出る気がしますが、心臓を出発した血液は何枚もあるエラの細い血管内を通過しています。
エラ1~2枚切った所で放血可能な量はほんの少しだけ、全部を切るとしても血管も細くお勧め出来ない場所です。
では心臓からエラまでの途中(エラの下側)はどうでしょう。
ハサミを使ってエラの下側をパチンと切る方法です。
ここは心臓直後なので血は勢いよく飛び出ますが、放血可能なのは心臓より手前にある静脈内の血液とエラ内部から逆流する多少の血液だけ。
出血量としては結構ありますが、抜けるのは食べもしないエラや心臓の血ばかり。やはりあまりお勧め出来る場所ではありません。
エラの上(大動脈) やはりここを切るのが一番効率がいいと感じます。
エラ蓋を開き白い膜を切り背骨の真下を通る太い血管を切断します。
心臓より手前の静脈内の血液は心臓のポンプでエラを通過後に放血されます。
大動脈中の血液や大動脈から内臓へ向かう血液は大動脈を逆流してある程度放血されます。
大動脈内の尾の方の血液は抜け辛いので、この時に尾を切るのも一つの方法です。
大動脈の切断と+尾びれの切断が一番放血量が多いという発表もあります。
さて、これで切る場所は分かりました。これで上手に血が抜けるかというと...
実はもっと大事な事があります。
私は今まで様々な血抜き方法を試して来ましたが、抜けていない時と綺麗に抜けている時とがあって悩みました。
切断する場所も大事なのですが、それ以上に放血させ続ける方が大事なんです。
魚を釣る、血管を切断する。バケツに頭から突っ込んで釣り再開。
ある程度時間が経過し血が出なくなったらクーラーに入れる。
私も良くやりますがこの行為がダメなんです。
バケツに頭から突っ込んでから血管から出た血が固まらないように魚を水中で動かし続けて下さい。
びっくりする位の血が出ます。こんなに出る?って位出ます。これをやっている間はほぼ釣りは再開出来ません。
太い血管を切っただけで安心しちゃダメですよ。
すぐ釣りに復帰したい気持ちを抑えて、1匹を丁寧に丁寧に血抜きしてみて下さい。
血抜きってそんなに効果ある?って思っている方いると思います。
血抜きっぽい行為をしているだけだと差が分かり辛いですが、きちんと出来ていれば誰でも分かる位に差が出ます。
上手に血抜き出来たら今まで出会った事のない刺身が食べられるはずです。
(完璧に血抜き出来た魚はその日は全然味がせず美味しくないので、2~3日寝かせる用です。当日食べる分は手を抜いて処理して下さい)
長々書きましたが、どこの血管を切るとか、忘れても大丈夫です。
今までの血抜き方法でも構いません。とにかく血抜き中に水の中で魚を動かし続ける事だけ忘れないで実践して下さいね。

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